パロマ 1

パロマは改造による死亡事故を知った時点で、強力に広報活動をすべきだった。松下のファンヒータのように。
ただ、そうしたとしても、事故の続発は防げなかっただろう。10年前の大学生の事故は、安全装置をバイパスしただけでなく、ファンのコンセントが抜かれていたと伝えられている。その結果何がおきるかがわからない人に、どんな広報や教育が役に立つのか。
わからない人は、どんなに危険性を説明しても理解しようとしない。例えば、接続しない人が大多数だと思われる電気のアース。アースを義務づけている事業所で、電気製品を濡らしてしまったところピリピリするという人がいた。そして、ブレーカが飛ぶから使えないという。状況から、確実に漏電していて漏電遮断器がはたらいている。感電の理由を説明され、作業中止を指示されたその人は、熟考の結果、アースをカットして本格的に感電した。過去に安全教育も何度も受けていた。わからない人にはどんなに危険性を説明しても無駄だ。
だが、無駄な広報が企業を助ける。事故を防ぐのに必要な情報がよく知られていれば自己責任、事故を防ぐのに必要な情報が知られていなければかわいそう、となるが、知られていたかどうかというのは、世論(素人感情)をベースにして、マスコミが決める。だから、専門家や販売店・修理店に周知徹底をはかっても、その努力は認められないのであって、本来関係のない大衆にいかに知らしめるかがとにかく重要。
問題の製品を回収すればよかったという人もいるが、ナンセンスだ。それを主張する人は、改造によって炎を吹き上げることがあるガス利用製品、改造によって表面に電気が流れることがある電気製品など、改造すると危ないものが世の中にたくさんあるので、がんばってすべて回収するよう運動していただきたい。