福井総裁問題の何が問題か

産経が1面トップで福井総裁問題を取り上げていた。

福井総裁5つの過ち
1. 総裁就任後も村上ファンドに拠出を続けたこと
2. 解約を申し出た時期の不透明さ
3. 小出しで、内容があいまいだった国会答弁
4. 利益1473万円「たいした金額ではない」の金銭感覚
5. トップのスキャンダルに対する日銀の対応の甘さ

わかりやすい。責めるならこの5つの過ちをとりあげなければならない。庶民の気持ちなんてものを取り上げて責めるのは煽り屋かバカのどちらか。
朝日がいい擁護記事を載せている。山田厚史編集委員

 日銀の福井俊彦総裁による「利殖疑惑」が、会期末の通常国会を揺るがした。「村上ファンドみたいな悪いやつと日銀総裁につき合いがあるなんてどういうこと。しかも大もうけしたなんて許せない」

 「村上逮捕」で村上=悪、かかわりのあった人物=悪の仲間、という大衆心理に「利殖で大もうけ」の発覚が火に油を注いだ。

 熱狂が始まると、メディアの増幅機能も手伝って、「小さな過失」も大事のようにたたかれる。庶民感情には耳を傾けるべきだが、時として暴走が起こる。大衆べったりでは真っ当な国の舵(かじ)取りはできない。
(http://www.be.asahi.com/20060624/W12/20060619TBEH0007A.html)

うんうん。
福井総裁の問題を上にあるような「妬み」「感情」の部分に集約して煽り辞任要求を掲げる多くのマスメディア。それに乗っかる政治家。感情ばかりを語る「庶民」。見ていて本当に気持ち悪い。そろそろ落ち着いてきたようなので、きちんと5つの過ちだけに絞って論議していただきたい。「気持ち」を大げさに語る人は、特にその人が世論を誘導する立場にあるなら、それは「気持ち」を操作し利用しようとしていると考えてまず間違いないのだ。