串カツてんぐ

しばらくぶりに、新世界に串カツを食べに行った。
通天閣のまわりが串カツ屋さんだらけになっていて、儲かってたまりませんという風のパチンコ屋さんまでが串カツ屋に変わっている。何軒かには入ってみたが、基本的に新興店には愛がないので、今日はジャンジャン町のてんぐに行く。
てんぐに決めているのは、自分の金で好きなように食べられるようになった頃の店員さんや雰囲気が好きだったから。そう決めたから、すいていればてんぐに入る。八重勝やちとせもいいが、まずはてんぐと決めている。
てんぐはどて焼き発祥の店とも言われている。うまい。しかし、今日は威勢がないことが気になった。昔と比べると最近は静かなのだが、店員さんも客も今日は特に声が小さい。上品といえば上品なのだが、ジャンジャン町がそれでいいのかと思う。てんぐが好きになったのは、味が好きなのは当然として、威勢のいい兄さんと自分勝手な客たちが作り出す雰囲気がが好きだったからだ。串が揚がると数人の客が自分の注文だと声を出す。それをいなしながら受注と料理をこなしていく店員がいた。
今日は、客も店員もとても静か。注文は順番に。揚がる前の追加注文は受けない。列を無視して店に入ろうとする客は1組しかいなかった。
だいたい、ジャンジャン町の串カツ屋の前に黙々と人が並ぶという風景が何か違う。乱雑でこそジャンジャン町。それをベタでありながらさらりとさばくのがジャンジャン町の店員。
そんなジャンジャン町が好きなのです。

↑これは新しい店と新しい通天閣。