珍問

公務員試験に奇問珍問続々 南極になぜ熊がいない?/海水はなぜ飲めない?
≪中国≫
 「南極になぜ熊がいないのか」「ワニは食べ物を見ると、なぜ涙を流すのか」−。中国の国家公務員試験で、テレビのクイズ番組さながらの「珍問」が続出。「南極に熊がいない理由を知っていることと公務員の資質は関係ない」といった批判も出ている。
 中国では国家公務員は人気の職業で、今年の試験でも、1万人余りの採用予定者数に対し、36万人以上が応募した。
 話題となったのは11月26日に行われた「行政能力」試験。2時間で130の設問に答えなければならない。
 「海水はなぜ飲めないのか」「第二次世界大戦中、英国はなぜ天気予報をやめたのか」といった問題もあり、受験生から「問題がおかしすぎる」「勉強のしようがない」との不満が続出したという。
 広州の新聞・南方日報など多くのメディアは「(想像力を競わせる意味で)SF小説家を選抜する試験になっている」「ゲーム感覚の出題は困る」と厳しく批判しているが、擁護する論調も登場した。
 遼寧省の新聞・瀋陽今報などは「公務員は雑学を含む総合能力が求められている」「わからない問題を飛ばして、できる問題から解くという取捨選択の能力も大事」と指摘した。
 模範解答は公表されていない。「珍問」をめぐる論争が過熱する中、各メディアには「設問の適否よりも、『南極になぜ熊がいないのか』を教えてくれ」といった問い合わせが殺到しているとか。
 ちなみに、ウェブサイトに掲載された回答によると、南極に熊がいないのは、熊の祖先が誕生する前に南極が他の大陸と分離したため、とされる。(矢板明夫)
(産経新聞 12月6日 http://www.sankei.co.jp/news/051206/kok030.htm)

南極になぜ熊がいないのか -
 大陸移動説から考えて、熊が南極に到達する前に南極が他の大陸から分離した。
ワニは食べ物を見ると、なぜ涙を流すのか -
 腺の起源が同じであろうから、唾やヨダレを出す時に涙も出てしまう。
海水はなぜ飲めないのか -
 海水は体液より濃いので、浸透圧により、細胞中の水分が奪われてしまう。
第二次世界大戦中、英国はなぜ天気予報をやめたのか -
 敵に戦場の天気予報を知らせるのはバカだから。
正解かどうかは別にして、瞬間的にこの程度は思いつく。悪い問題じゃない。出題者の意図は、正解を知っているかどうかを知ることではなく、こういう問題に何か解答を書けるか、あるいは思考停止してしまうかのいずれかを知ることだと思う。また、どういう知識をもとにして答を導き出したかもわかる。こういう問題に反発したり思考停止して飛ばしてしまう人というのは、総合能力がないか、でなければ知っている問題以外には答えないようトレーニングされているのだろう。それは、いいことだとは思わない。
ワニが獲物を食べた後に涙を流すというが、それは涙ではなく、塩類腺からのナトリウム排出なのだそうだ。人間にワニの涙症候群というのがあって、こちらは神経の分岐の問題による反射異常で、唾といっしょに涙が出てしまう。海水を飲むとどうなるかというのは、ナトリウムの吸収と排出、細胞内液と細胞外液と浸透圧など、色々な説明が見つけられる。斉藤実氏の、海水を飲む実験がたいへん面白そうである。海水は飲めるらしい。
いろいろ調べてみたくなる問題は良問。