不当採用差別をしています

採用差別の週刊誌記事、ドンキの賠償請求棄却・東京地裁
 問題となったのは、昨年6月掲載の「『ドン・キホーテ』が作った『不採用高校』リスト」など2つの記事。同社作成とされる「要注意高校リスト」の写真が掲載された。
 判決理由で野山裁判長は「リストは同社の経営会議で配布されたと推認され、不当な採用差別を行う会社であるのは真実」などと認定した。
(日経新聞 http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20051026AT1G2603L26102005.html)

ドンキの賠償請求を棄却 「偏差値採用」記事めぐり
 判決理由で野山宏裁判長は「リストの高校出身者は、採用総数の1割程度」と指摘した上で「ドン・キホーテが偏差値という形式的な基準のみで決定するという不当な採用差別を行う会社であることは真実」とした。
(共同通信 http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=MNP&PG=STORY&NGID=soci&NWID=2005102601006577)

どっちが真実なんだ? 特定高校の出身者を採用しないというのと、学力の低い人を採用しないというのとは、全然意味が違う。
おそらく日経が正しいと思う。共同通信が正しいなら採用時に試験を行うことも許されない。試験の点数などという形式的な基準のみで不採用を決定してはならないのだから。
現実問題としては、学力が一定以下では事務作業は任せられない。常用漢字が読めないとか、計算が遅い上に間違っているとかだと、他によほど飛び抜けた能力がない限り使い物にならない。僕が採用面接をする時には英文混じりの技術文書と法律文書を読んでもらう。読めなければ採用しない。読める人は偏差値が高い。あらかじめ学力試験の偏差値がわかっていれば、面接するまでもなく読めるかどうかはわかる。そういう能力で採用を決めるのは不当な採用差別であるか?
出身校によって採用を制限するというのはよくない。入学したのは過去、評価すべきは現在だ。現在の偏差値が高ければ、それでよい。偏差値は相対評価なのだし、社会人の評価基準は高校生よりも多様である。努力すれば偏差値は上がる。学歴に安住して努力しなければ低偏差値人間となる。それは所属集団では判断できないもの。