今日の金星はとてもきれいでした

3月31日 太陽が沈むころに(a)[]西の空高くに金星が見られた[]。この数時間後に金星も沈んだ。
4月 1日 雲のため、金星は観察できなかった。
4月 2日 金星とプレアデス星団(すばる)とが図Iのような位置関係で観察された。
4月 3日 雨が降っていたので、金星は観察できなかった。
4月 4日 金星とプレアデス星団とが図IIのような位置関係で観察された。

図 I 金星はプレアデス星団の下
図II 金星はプレアデス星団の上

プレアデス星団は、おうし座にある自ら光を出してかがやいている星の集まりである。

図Iと図IIとを比べると、プレアデス星団の位置は変わらないのに対して、金星は移動しているように見える。このように、星座をつくっている星と金星との位置関係が数日間で変化するのはなぜだと考えられるか。

大阪府立高校の入試問題で、模範解答は「金星が太陽の周りを公転しているから」だそう。これに対し不適切とのクレームがあったとのことで、産経新聞が批判記事を載せています。
うん、不適切間違いなし。私ならこの設問に「金星が太陽の周りを公転しているから」としか答えられないなら点はやらない。
クレームした方(理科教諭)は「(数日間では)地球の近くにある惑星は大きく位置を買えるが、遠く離れた海王星などはほとんど変えない。『数日間』という条件があることで、発展的な思考力を持つ生徒は『金星が地球に近いから』と答えてしまう可能性がある」と指摘しているとのこと。しかし「金星が地球に近いから」でも点はやらない。
「金星が地球に近いから」とだけ書くとすれば、それは天才的あるいは短絡的な思考を持つか、国語力が不足しているか、わかっていないかのいずれかである。
正解は「金星が公転していて、しかも地球との距離が近い(結果、短時間で見かけの位置が変わる」である。発展的な思考の結果として点数をやれるのは、「金星が太陽に対して運動していて、しかも数日で見かけの位置が変わるようなすごいスピードで動いている」「金星は地球に対して静止しているのに対し、星座をつくっている星や太陽は地球に対して同じ角速度で動いている」などであろう。
そういう解答を書ける生徒は頭がいい。しかし、人生では苦労するであろう。特に後の方。