盗まれた街

sui2007-11-23

盗まれた街 (ハヤカワ文庫SF フ 2-2)

盗まれた街 (ハヤカワ文庫SF フ 2-2)

映画化にあわせて古本屋から急になくなってしまった古典を久しぶりに読んでみる。今まで読み継がれてきたうえ4回も映画化されただけのことはある。ただ、この話、主人公の行動にちょっといらいらする。現代的な行動パターンとのずれに。しかし、それは時代をあらわしているわけで、興味深い。民主党支持、戦わない、説得されたがる、せっかく入手した武器=拳銃を持ってるのがばれるからと捨ててしまう。とても1955年っぽい。あと、今じゃ考えられないのは、とにかく最後まで誰も写真をとらないこと。だから、見たことを他人に納得してもらうには、とにかく言葉で説明しなければならない。これが書かれたのは、ちょうどニコンS2が発表された前後で、日本のカメラが欧米に注目されるようになる前。アメリカの田舎町では、一般人はカメラを持っていない、またはすぐに出せないところにしまってあるのが普通だったんだろう。前に読んだのはα7000が出るちょっと前、カメラを持っていない友人も多かった。今ならケータイで撮って数分後にはネットにUPしているだろうが。